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筆者は現在、大学で「金融論」の講義を担当していますが、金融業をめざす就活学生には、標準的な教科書に書かれた金融・ファイナンス理論のみならず、幅広い金融知識を身につけておいてほしいと思います。
経済学部の学生は必ずしも簿記・会計学が必修科目というわけではなく、銀行員に不可欠な知識であるバランスシートや経営分析を学ばないまま卒業する学生もいるようです。IFRS、キャッシュフロー計算書も含めた会計の知識、M&A、敵対的買収の防衛策、株主が行う企業分析等、企業財務に関する知識など幅広い金融知識を本書では紹介しています。
さらにコロナ対策融資、脱ノルマ、独禁法の適用除外になる地方銀行の再編などホットな話題も盛り込みました。
本書の第Ⅰ部では金融の基礎知識、第Ⅱ部は金融の歴史について述べ、第Ⅲ部は銀行業、第Ⅳ部は証券業あるいは企業の財務部門、第Ⅴ部は保険業を志望する学生のために参考になると思われる金融知識を記しました。
本書が金融の仕事をめざす若い人たちの参考になれば幸いです。