日本語は、縦書きと横書き、両方の形式で書くことが可能な言語です。
普段読み書きしている私たちは当たり前のように感じるかもしれませんが、これは世界的に珍しい日本語の特徴です。
この記事では、縦書き・横書きの文化や、書籍を作る際に、どのように使い分ければいいかを解説していきます。
目次
縦書きは日本の伝統的な記述方式
日本の文字文化は中国から強い影響を受けています。文字そのもの(漢字)は中国から輸入され、それに伴い中国語の縦書きの形式も受け入れられました。
そこから日本独自の仮名文字が生まれていきますが、縦書きの形式は受け継がれ、古典文学や歴史文書も縦書きで記されています。
つまり、日本語のもともとの綴りかたは「縦書き」なのです。
横書きと西洋文化
一方、日本における横書きの導入は西洋文化と密接に関連しています。
西洋の書物は横書きが一般的です。西洋の書物が日本に伝わった際、横書きが知られるようになり、欧文を含む文章の場合に横書きで書かれることもありました。
また、それとは別に看板や新聞の見出しなどで、右から左へ読む横書きの形式も利用されていました。
これは日本語の縦書きの文章が、左から右に行を読み進めていく形だったからです。
そして第二次世界大戦後になると、政府の方針で、欧米と同様の右から左への読み方に一般化されました。
縦書きと横書きの使い分け
日本の書籍や印刷物でも、縦書きと横書きのもの両方が存在しています。
書籍の多くは縦書きが採用されており、特に文学作品や歴史書、エッセイなどでは縦書きが好まれます。
これは縦書きが日本語の伝統的な形式であり、日本人の感覚にフィットして読みやすく感じられてきたからでしょう。
一方で、教科書や科学技術書などの書籍は横書きのものが多いです。
欧文や数字を多用する場合、縦書きでは表記しづらく横書きが適しているからです。
またWEBコンテンツやブログなどを書籍したものもなども、WEBの雰囲気を再現するために横書きにすることがありますし、
それ以外の書籍でも横書きが採用されることも多くあります。
現在では、行政・ビジネスなどの文書や多くの教科書、デジタルデバイスではほぼすべて横書きなので、
「横書きより縦書きの方が読みやすい」という感覚はもう失われつつあるかもしれません。
作りたいコンテンツの特性、自分の好み、想定読者の好みなどに応じて、縦か横か、選んでみましょう。
まとめ
●日本語は縦横どちらでも利用できる珍しい言語
●縦書きは日本伝統の書式、横書きは西洋伝来の書式
●日本では文芸・雑誌・エッセイや文庫・新書など、多くの書籍が縦書き
●一方で英語や数字を多用する書籍は横書きが多い