表記の統一は、文章の質を高めるために簡単に実践できる工夫です。
ここでは、表記統一の考え方について紹介していきます。
統一をする際に押さえたい点を下記に上げていきます。
目次
語句統一
まずは、同じ語句はどのように表記するか決めて、統一しましょう。
【リンゴ/りんご/林檎】
【ていねい/丁寧】
【ウェブ/WEB】
【ベートーヴェン/ベートーベン】
送り仮名の有無
送り仮名に複数のパターンがある語句は、いずれかに統一しましょう。
【行う/行なう】
【売上/売上げ/売り上げ】
【取扱/取扱い/取り扱い】
数字
書籍では、主に漢数字(一二三四)か、算用数字(0123、アラビア数字)のどちらかが使われます。
漢数字は縦書き書籍の場合によく使われますが、縦書きで算用数字を利用してもまったく問題ありません。
漢数字の場合は、単位数字を入れるかどうか、算用数字の場合はカンマを入れるかどうかも決めましょう。
【一二三四五〇〇〇/千二百三三十四万五千/一二三四万五〇〇〇】
【12345000/12,345,000】
全角・半角
英数字は、全角か半角かを統一しましょう。
【Apple/Apple】
縦書きの場合は縦にするか横に倒すかも検討が必要です。
一桁・二桁の数字のみ縦にしてそれ以上は横に倒す、という表記もあります。
どれに統一したら良い?
どちらに統一すればよいかですが、これという決まった正解はありません。
読みやすいと思う方や自分の好み、こだわりで選んで構いません。
漢字とひらがなの読みやすさについては、概ね、固有名詞や同音異義が多い言葉は漢字にする、そのほかの副詞や接続詞などはひらがなにすると読みやすくなります。
*参考記事(漢字を「ひらく」――漢字とひらがなの使い分け)
統一の優先順位
表記の統一は文章のクオリティを上げる重要な作業ですが、書籍としては、そもそも記述内容が事実と異なる、誤字脱字がある、文法がおかしい、という点を校正によって取り除く方が優先です。
十分な校正ののち、プラスアルファの要素として表記統一を行うのが良いでしょう。
*参考記事(出版に欠かせない「校正」の仕事)