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出版のいろは

ソフトカバーとハードカバー

特徴とメリット・デメリット

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書店や図書館においてある書籍/単行本には、大きく分けて2種類の製本形式があります。

とても硬い材質の、本文よりひとまわり大きな表紙にくるまれたハードカバー(上製本)と、
柔らかい紙の表紙でくるまれたソフトカバー(並製本)です。

本を制作する際、製本をハードカバーにするかソフトカバーにするかは、
本の見た目や印象、さらには価格などを決定する大きなポイントとなります。
そこで今回は、そのハードカバーとソフトカバーがもつそれぞれのメリットや、印象、使われる本の傾向などについて見ていきましょう。

ハードカバー(上製本)

ハードカバーは、厚い紙や革などのしっかりした材質の表紙でくるむ製本方式です。

ハードカバーの本は、硬く大きな表紙のおかげでいたみにくく、高い耐久性を持ちます。
たとえば、小さなお子さん向けの絵本の多くがハードカバーなのは、
お子さんが扱っても簡単に本が汚れたり破れたりしないようにするためです。

また、ハードカバーの書籍の内側には花布(はなぎれ。スピンともいう)や、紐状のしおりをつけることができ、
耐久性や利便性をアップさせるともに、これらの色をコーディネートすることで本の外観デザインのアクセントとすることもできます。

ハードカバー書籍のデメリットには、製本にかかるコストがソフトカバーに比べ大きく、原価が高くなってしまうことが挙げられます。

 

◆こんな本にはハードカバー◆

 ■本に高級感本格感重厚感を持たせたい

 ■本が長く残るよう、耐久性を持たせたい

 ■本の外観(デザイン)にこだわりたい

 例: 集大成となるような研究書、おしゃれな小説、子どもに読まれる絵本、ブランディングのためのビジネス書 など

 

「丸背」と「角背」

ちなみに、ハードカバーには、本の背表紙が丸みを帯びている「丸背」と、平らになっている「角背」の二種類があります。

本の背表紙部分が丸みを帯びているものが「丸背」で、厚い本でもページを開きやすく、読みやすい形です。
辞書などページ数が非常に多い書籍などに対して使用されることが多いです。

本の背表紙部分が平らなものが「角背」で、耐久性が高く、また棚に並べたときに背が平面に並ぶので見栄えがよいなどの特徴があります。

 

ソフトカバー(並製本)

ソフトカバーは、別名「並製本」と呼ばれ、本文と同じ大きさの柔らかい紙でくるまれた書籍です。
ハードカバーに比べて安価に作ることができるため、書籍の定価を抑えることができます。

また、軽くて持ち運びもしやすいので、多くの人に、多くの場所で読んでもらいたいような本に適しています。

デメリットとしては、ハードカバーの書籍に比べて耐久性に劣ることが挙げられます。
背の綴じ方によって、さらに様々な製本形式があります。

 

◆こんな本にはソフトカバー◆

 ■いろいろな人に広く読んでもらえる本にしたい

 ■本の価格を安く抑えたい

 ■気軽に持ち運べどこでも読めるような本にしたい

 例:軽く読めるようなエッセイ、生活に役立つノウハウ集、安価で多くの人へ広めたいPR本 など

 

「カバーあり」と「カバーなし」

ハードカバー、ソフトカバーともに、ブックカバーを追加することができます。
ここでの「ブックカバー」とは、表紙に被せる紙のことで、「ジャケット」とも呼ばれます。

■カバーあり
ブックカバーがあることで、本を読んでいるときでも、表紙・裏表紙の汚れやキズを防ぎ、長期間美しい状態を保てます。
また、返本された汚損本はカバーを交換することにより、再び新品に近いものとして流通できます。
本の価格改定時や消費税率改定の際も、カバーの差し替えだけで対応できるといったメリットがあります。

さらに、表紙・裏表紙とは全く違うデザインをすることもあり、コミックではオマケ要素が描かれることもあります。

■カバーなし
洋書によく見られる、ペーパーバックと呼ばれる仕様です。
カバーを使用しない分、より安価に仕上げることができます。

まとめ

  耐久性 価格 体裁 重量
上製本 高級感
並製本 気軽

このように、ソフトカバーとハードカバーといった製本方式は、
出版の目的や対象読者、こだわり、あるいは予算など、さまざまな理由で選択されています。

書店や図書館に行って、どんな本がどんな製本になっているかを眺めてみたり、手にとって
なぜその本がこの製本なのか、考えてみるのも面白いもしれません。

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