ベクターデータとは?
通常、PCやスマートフォンから見るデジタルのイラストや写真は、
大きく拡大すると画像がどんどん粗くなっていきます。
解像度(解像度についてはこちらの記事を参照)が高ければ、拡大しても滑らかですが<>
それでもどんどん拡大していくと、最終的にはドットで構成されたモザイクのような見た目になります。
一方で、どれだけ拡大しても粗くならない画像データというものが存在します。
それが「ベクターデータ」です。
ベクターデータは、図形の線の太さや曲がり具合を数値化して表現する方式で、コンピューターで扱われる画像データの一種です。
それに対して、イラスト・写真などのドットで構成されるデータは「ビットマップデータ」と呼ばれます。
ベクターデータの特徴
ベクターデータの大きな特徴は、無限に拡大しても粗くならないという点です。
数値と計算式によって記述された形状であるため、どれだけ拡大縮小を行っても滑らかに表示されます。
また、色の変更や線の太さの調整も簡単に行うことができます。これらの操作は、数値の変更にすぎないため、手間なく、高精度に実施可能です。
一方ベクターデータにも一部限界があります。それは、写真や絵画のような複雑なものを正確に再現するのが難しいという点です。これは、ベクターデータが基本的に幾何学的な図形に基づいているため、細かい色彩や質感を表現するのが困難だからです。
最適な画像データ形式を選ぼう
ベクターデータは、サイズを自由に変更したり、色や形状を簡単に編集したりすることができます。
そのため、様々な場所で利用するアイコンやロゴなどは、ベクターデータとして作成すると便利です。
PCなどで使用する文字のフォントデータや、Adobe Illustratorで作成したイラスト、Microsoft Office(Word、Excelなど)で作成した図・グラフ・アートなどは、ベクターデータとして保存されます。
ですが、先述のようにベクターデータでは複雑な画像や表現は難しいため、
自分が何を表現したいのか、どのように使用するのかを明確にした上で、最適な画像データ形式を選ぶことが大切です。
まとめ
●フォントや、一部ソフトで作成された、拡大しても粗くならない画像を「ベクターデータ」と呼ぶ
●ベクターデータは情報を数値として保存しているので、変更が容易
●複雑な画像・写真は「ビットマップデータ」のほうが向いている