本の奥付や裏表紙の裏などに「落丁・乱丁の場合はお取替えします」といった案内を見たことがありませんか。
一般的に、どの本にも記載されている文言ですが、落丁や乱丁と言われて、どんな状態をイメージされるでしょうか。
この記事では落丁・乱丁について解説していきます。
(「本の奥付って?」という方はこちらで解説しています)
落丁・乱丁とは
落丁・乱丁と言われて、どんな状態の本をイメージされますか。
ページが汚れていたり、文字がかすれていたり、誤字脱字がある本をイメージする方もいるかもしれません。
そもそも、落丁・乱丁の「丁」とは何なのでしょうか。
丁は、折丁(おりちょう)を指しています。
折丁とは、本を製本する時に、印刷された本がページ順になるように折り畳まれたものです。
一般的には折丁1折り16ページで構成されています。
本を製造する工程では、まず、大きな用紙に複数のページを印刷し、それを一定の手順で折り、折丁を作成します。
折丁は小冊子のように束になっており、この束を順番に並べて綴じると本になる仕組みです。
そして、落丁は折丁が丸ごと落ちてしまった状態です。
折丁は一般的に16ページセットなので、本が丸々16ページ分抜けている状態になります。
これでは、読み物として成立しないでしょう。
次に乱丁とは、ページが乱れている状態です。
折る手順を間違えたり、折丁を並べる際に順番を間違えたりすることで起こります。
ページ数は揃っていても、順番が異なるので、こちらも読み物として成立しません。
落丁・乱丁が生じる理由
折丁をつなぎ合わせることを丁合と呼びます。
印刷会社では手作業ではなく、 丁合機という機械で行っています。
丁合機には落丁・乱丁防止センサーが付いているのが一般的なため、通常は未然防止が可能です。
ただし、機械に紙が引っかかり、それを取り除いて再開する際、引っかかったセットに落丁が生じたまま流れてしまうことや作業員が順番を間違えて折丁をセットして乱丁が生じることが稀にあります。
折丁の背には版名と折の番号を示す背丁と、背標という印が付いていて、間違えないように予防策を講じています。
とはいえ、セットするのは人間なので、ミスを100%なくすことはできません。
検品をしても、すべての本に目を通すことは難しいので、そのまま読者のもとへ渡ってしまうことがあります。
本を買った際には、まず、ページが足りているかなどをザっとチェックしましょう。
万が一、落丁・乱丁があれば、購入した書店または出版社に問い合わせれば、無償で交換してくれます。
まとめ
本は折丁と呼ばれる、一定枚数のページの束を綴り合せることで製本されます。
落丁は折丁がごっそり抜け落ちることで、乱丁は折丁の順番が狂うことです。
いずれも読み物として成立しないので、取り替えてもらえます。