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書籍の定価設定

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あなたは、書籍の裏側、バーコードが書かれた部分を目にしたことはありますか?
ここにはその本の情報がたくさん詰まっています。

今回は、ここに書かれた「定価(本体価格)」について、商業出版の場合を例にとって説明します。

出版費用(制作費)との関係

巷で売られているどんな商品もそうですが、書籍にも原価があります。
(詳しい「出版にかかる費用」については、こちらの記事をご参考ください。)

同じ本をつくる場合も、仕様や発行方法などによって金額は異なりますが、ここでは1冊当たりの原価800円と仮定して解説します。

この場合、あなたなら値段をいくらに設定しますか?
当然、損をしないためには800円以上にする必要がありますね。
もちろん、高くすればするほど利益が生まれますが、購入する人は限られてしまうでしょう。

そこでまずは、書店で販売する際の卸値から考えてみることにします。
通常、書店で本を販売するためには、「取次」と呼ばれる卸業者を介することが一般的です。
各社の条件によりますが、出版社から取次への卸値(出版業界では「正味」と呼びます)は、
本体価格の67~69%程度、取次から書店への卸値は本体価格の78%程度とされ、
販売マージンは、取次が7~8%、書店が22%といわれています。

そのため、最低でも本体定価の67~69%が原価の800円以上になるように設定する必要があります。
すると少なくとも、1,160円~1,195円の定価設定をしなければ、書店で売れても損をしてしまうことがわかりました。

ちなみに、Amazonは60%と取次への卸値より安いため、1,334円以上の定価に設定する必要があります。
※送料等はすでに原価に含まれていると考え、細かい計算は無視して進めます。

余談

書籍には、「著作物の再販制度(再販売価格維持制度)」という、
小売書店等は、出版社が定めた定価で販売しなくてはいけない決まりがあります。

一見、自由競争を阻害しているようですが、この制度のおかげで全国どこでも同じ本を同じ価格で購入することができるのです。

売れない可能性について

さて、書店で販売する場合の定価設定の基準は分かりました。
では、1,195円で定価を決めてしまってよいのでしょうか?
答えはNo!です。

ただ実は、現状では1冊当たりの原価以外の具体的な情報がないので、これだけだと価格の設定はできません。
そこで、後出しの情報ですが、初版1万冊発行したと想定して話を進めます。

再び質問です。
書店にはたくさんの本が並んでいますが、そのすべてが売れるのでしょうか?
答えはNo!です。

書籍は生ものでないため、長期間店頭に陳列されることもありますが、毎日約200種類の新刊が刊行される日本。
少しでも売れ行きの良い書籍に場所を空けるため、書店は売れないと判断した書籍を返本します。
近年、書籍の返品率は約40%といわれるほど、多くの本は売れないまま店頭から姿を消していきます。
(そもそも店頭に並んでいない場合もあります。)

返品されない60%がすべて売れると仮定して、定価設定の計算に戻りましょう。
この書籍の発行にかかっている総額は
   800円(原価) × 1万冊(発行部数) = 800万円  です。
これを、先ほどの卸値67%を考慮したうえで、6千冊の販売で回収するには、
   1,195万円 ÷ 6千冊 ≒ 1,992円  とする必要があります。

原価の2.5倍近くになり、驚いたことでしょう。
今回の例の場合、1万冊を発行しているため、仮にすべてが売れれば利益が大きいですが、
6千冊の販売を少しでも下回ると赤字になってしまいます。
発行部数によって原価が変わるため、場合によっては定価をもっと高く設定しなくてはいけないかもしれません。

まとめ

これまでの説明を簡単な数式にすると、次の通りです。

 原価(総額) ÷ 卸値 ÷ 販売予定冊数 = 定価(最低設定額)

書籍がどのように価格設定されているかお分かりいただけましたでしょうか。
実際には、もっと複雑な要因をもとに計算するのですが、今回の解説はここで終わりにします。

 

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