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読者に届けるための書籍タイトル(書名)のつけかた

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表紙は本の顔。本の中で最初に読者に届く情報です。なかでも、書籍のタイトル(書名)は中でも最も目に留まる要素となります。

書籍に限らず、映像作品など他のジャンルでも同様ですが、タイトルひとつでお客がひきつけられ、購入・視聴してしまうということも珍しくありません。 その本の命運を左右するタイトル付けは、出版の中でも最も重要で工程と言っても過言ではないでしょう。

この記事では、この悩ましい書籍タイトルのつけかたについて述べていきます。

目次

1.書店で本を眺めてみる

まずは、書店に行き、並んでいる書籍のタイトルを眺めてみましょう(書店のWEBサイトのランキングでもかまいません)。

日本では現在、一日に200点ほどの新刊が発売されており(参考:日本で本はどのくらい出版されている?)非常に多種多様なタイトルの本が並んでいます。新刊・話題書のコーナー、ベストセラーのコーナー、自分が出版したい本のジャンルのコーナーなどに行き、どのようなタイトルの書籍が売れているかや、印象に残ったタイトルなどをチェックしましょう。さまざまな本のタイトルを見れば、自著のタイトルのイメージも湧きやすくなるはずです。

 

そうはいっても、大切なタイトルをいきなり決めるというのは難しいと思いますので、以下に具体的なタイトル付けの手法や傾向を述べていきます。

2.オリジナルの言葉を作る

ビジネス書や実用書などで、著者オリジナルの方法や主張を世に広めたいと考えている場合は、その方法に名前を付けて、それをタイトルにするのが良いでしょう。
これまでこの世に存在しなかった新しい言葉を作り出してタイトルとすると、店頭や広告で目にしたときにひきつけられます。

ゼロからまったく新しい言葉を作るのは難しいですが、既存の言葉を組み合わせたり、「○○式」「●●力」といった形式であれば、それほど難しくなく作ることができます。

3.多少大げさに謳(うた)ってみる

書籍の内容に反していたり、非現実的な誇大表現は読者をだますことになるため控えるべきですが、書籍のテーマを多少大げさに謳うことも有効です。

例としては、
『★日で☆☆をマスター』
『▲は△△△が9割』
『○だけでできる!●●●式◎◎◎』
『なぜ成功者の□□は■■■■なのか』

といったタイトルが良くみられます。

繰り返しになりますが、嘘や、中に書かれていないことをタイトルにするのはくれぐれも控えてください。嘘にならない範囲で、最大限に内容をアピールしてみましょう。

4.作品を象徴する「もの」や「場所」をタイトルにする

文芸書(小説・エッセイなど)では、作品を象徴していたり、作中で印象的だった「もの」や「場所」「セリフ」などをタイトルにすることが多いです。
たとえば、小説を読み進める中、印象的な場面でタイトルの場所が出てきて「このことだったのか」と感じると、非常に良い読書体験になることでしょう。

5.特定読者に向けた書籍の場合

学術書、専門書など、ある特定の情報を知りたいと考えている読者に向けた書籍の場合は、 あまり気をてらわず、その書籍で述べられているテーマをそのまま書名とするのがいいかもしれません。
そのほうが、その情報を知りたいと考えて検索などをする読者に届きやすくなります。一見で内容がわからない造語などををタイトルとすると、かえって対象読者に届かない可能性が出てきます。

6.サブタイトル(副書名)について

タイトルだけでは内容が伝わらないと感じる場合は、具体的に内容を説明するサブタイトルをつけて補完しましょう。

ただし、サブタイトルをつけず短いタイトルだけにすることで、印象深い作品とすることもできます。

内容や想定する読者対象、自分の好みに応じて決めましょう。

7.正解は神のみぞ知る

タイトル決めは本を出したい人にとって最も悩ましいことなので、決定は入稿や装丁デザインの開始直前まで引っ張ってしまうことも多いですが、できるだけ早くから考え始めて、たくさん案を出してみましょう。

また、タイトルを先に決めることで執筆が進みやすくなることもあります(参考:本の骨となる「構成案」のつくりかた)

それでも悩んでしまうかもしれませんが、最終的には、どんなタイトルの本が読者の手に取ってもらえるのか、誰にもわかりません。思い切って決めてしまいましょう。

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